大熊町新教育施設
令和5年、町内での学校教育を再開するため、大川原地区復興拠点に教育施設を整備しました。施設は、幼保小中が一体となった認定こども園・義務教育学校の町立学び舎ゆめの森の新校舎として使用しています。地域の中心として、0歳から15歳の子どもたちが共に学ぶ環境と安心して子育てできる環境を整え、ゼロからのまちづくりが進む大熊だからできる教育を実現していきます。
事業の目的・経緯
震災によって移転した学校教育の帰町を目指して
町は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、全町民が避難を強いられるとともに、幼稚園、小・中学校の教育施設が、約100キロメートル離れた会津若松市に移転を余儀なくされました。
移転先の教育施設では年々、園児・児童・生徒数が減少の一途をたどり、令和2年度の在籍者は、幼稚園が5人、小学校が9人、中学校が3人となりました。一方、町は、空間放射線量が低い大川原地区に復興拠点の整備を進め、令和元年5月に役場機能を再開。令和2年3月にはJR大野駅周辺の避難指示解除、中心市街地を自由通行とするなど、復興に向けて着実に歩みを進めていました。
町は、令和2年6月に、学校教育における帰町への取り組みとして、「大熊町教育施設整備事業基本構想・基本計画」を策定しました。これにより、保育所、幼稚園、小学校、中学校を一体的な施設とすることを踏まえた教育施設の整備が大川原地区で進められました。
事業の経緯
年月日 | 概要 |
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平成30年6月26日 | 大熊町教育大綱を策定。令和4年4月を目安に大川原地区に幼稚園、小・中学校を新築し、学校再開を目指すことを決定 |
令和元年9月25日 | 基本構想・基本計画策定支援業務委託の公募型プロポーザル 公募開始 |
令和元年11月5日 | 基本構想・基本計画策定支援業務委託の公募型プロポーザル 審査結果公表 |
令和2年3月~4月 | 基本構想・基本計画に係る住民説明会(新型コロナの影響で延期→中止) |
令和2年6月1日 | 新教育施設計画の考え方(案)についてのアンケート実施 |
令和2年6月30日 | 大熊町教育大綱を改定。新型コロナの影響を考慮して、町内での学校再開を1年延期し、令和5年春に大川原地区で幼小中一貫の教育の実現を目指すことを決定 |
令和2年7月15日 | 基本設計・実施設計業務委託の公募型プロポーザル 公募開始 |
令和2年10月16日 | 基本設計・実施設計業務委託の公募型プロポーザル 審査結果公表 |
令和3年9月10日 | 基本設計・実施設計業務 基本設計説明書の公表 |
令和3年2月1日~15日 | 教育施設の基本設計に対する意見募集 |
令和4年4月1日 | 義務教育学校 学び舎ゆめの森が会津若松市で開校 |
令和4年7月1日 | 教育施設工期遅延の公表、供用延期を決定 |
令和4年10月3日 | 施設完成まで町内既存施設の一部を代替施設とする方針を公表 |
令和5年4月10日 | 町立学び舎ゆめの森 始まりの式を開催。代替施設に認定こども園が開園・義務教育学校が移転して、町内での教育が約12年ぶりに再開 |
令和5年6月末 | 教育施設が竣工 |
令和5年7月10日 | 教育施設の引き渡し式を実施 |
令和5年8月25日 | 町立学び舎ゆめの森 2学期始業式を実施。教育施設の使用開始 |
令和5年9月21日 | 町立学び舎ゆめの森 落成式典を挙行 |
計画と設計
新教育施設整備は、公募型プロポーザル方式により基本構想・基本計画業務、基本設計・実施設計業務を行う事業者をそれぞれ選定しました。
大熊町教育施設整備事業 基本構想・基本計画
大熊町は令和2年6月、町内大川原地区に幼保小中一貫の教育施設・学校教育施設・地域住民が集える施設を合築した複合型施設の整備を行うため、基本構想・基本計画を策定しました。
大熊町教育施設整備事業 基本設計・実施設計
大熊町は令和3年3月、新教育施設の令和5年4月の開校に向けて、大熊町新教育施設基本設計書を策定しました。この基本設計書は、校舎の基本的な平面計画、構造計画、設備計画等をまとめたものです(この基本設計書をもとに、新教育建設実施設計が進められました。このため、内容等については変更された項目がありますので、ご了承ください)。
- 大熊町教育施設整備事業基本設計・実施設計業務 基本設計説明書(建築) [PDFファイル/17.76MB]
- 大熊町教育施設整備事業基本設計・実施設計業務 基本設計説明書(構造) [PDFファイル/5.22MB]
- 大熊町教育施設整備事業基本設計・実施設計業務 基本設計説明書(機械) [PDFファイル/4.62MB]
- 大熊町教育施設整備事業基本設計・実施設計業務 基本設計説明書(電気) [PDFファイル/6.56MB]
- 大熊町教育施設整備事業基本設計・実施設計業務 意匠図一式 [ZIPファイル/47.27MB]
- 大熊町教育施設整備事業基本設計・実施設計業務 構造図一式 [PDFファイル/6.38MB]
パンフレット
建築工事
新教育施設の建築主体工事は、指名競争入札により決定した大成建設株式会社東北支店が事業を行いました。
着工
令和4年1月28日、安全祈願祭が行われました。木村政文町教育長がくわ入れを行い、工事の無事を祈りました。
くわ入れを行う木村教育長
竣工
新教育施設が令和5年6月末で完成し、竣工に伴う引き渡し式が令和5年7月10日、施設内の図書ひろばで行われました。
吉田町長に完成図書を手渡す西岡支店長(右から2人目)
落成式典
令和5年9月21日、教育施設の落成式典が開かれました。図書ひろばを会場とした式では、児童生徒らが進行を担いました。
吉田淳町長が「復興のシンボルとして地域に末永く愛され、共に学び合いができる施設になることを願う」と式辞を述べました。盛山正仁文部科学相、土屋品子復興相、大沼博文県教育長、吉岡健太郎町議会議長が来賓として出席し、祝辞を述べました。
また、子どもたちによるアートパフォーマンスが披露され、校歌の歌詞に合わせた劇を演じました。
落成式典の終了後に落成記念行事が行われ、「今年の漢字」の揮毫で知られる京都府・清水寺の森清範貫主が講演しました。 講演の冒頭、森貫主は「愛」と「幸」の文字を揮毫。続いて、児童生徒の代表が将来の夢に関する一文字を発表し、森貫主が講評してエールを送りました。