原子力事故の賠償および原子力損害賠償紛争審査会の指針に対する緊急要望書
印刷用ページを表示する 掲載日:2011年6月29日
原子力事故の賠償および原子力損害賠償紛争審査会の指針に対する緊急要望書を提出しました。
大熊町では、原子力事故の賠償および原子力損害賠償審査会の指針に対し、現状の問題点や今後の懸念などを、国へ要望書として提出しました。
以降要望書原文
内閣総理大臣 菅 直人 様
内閣官房長官 枝野 幸男 様
文部科学大臣 高木 義明 様
原子力経済被害担当大臣 海江田 万里 様
農林水産大臣 鹿野 道彦 様
原子力事故の賠償および原子力損害賠償紛争審査会の指針に対する緊急要望書
今回の東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所事故により、大熊町機能ごと県内外に集団避難を余儀なくされる事態となり、原子力発電所の安全確保に一元的責任を有する国を信頼してきた大熊町として大変強い衝撃を受けております。
原子力発電所は安全確保が大前提であり、住民の安全安心確保は如何なる事態においても揺らぐことのない第一条件であることは言うまでもありません。
しかしながら、同発電所において、安全機能の喪失、放射性物資の外部放出により、住民の被曝、町全域に及ぶ土壌の放射能汚染など周辺住民に極めて重大な原子力災害をもたらしております。
いまなお福島第一原子力発電所の事故の収束の目処はたっておらず、更に、土壌における放射能汚染の厳しい状況が判明してきております。
かかる状況の下、住民に対する原子力災害賠償の審査基準となる指針を定める原子力損害賠償紛争審査会において第2指針追補等が決定されつつあります。
大熊町では、当該指針の作成にあたり、今後の対応を含め懸念を有しており下記の通り改善の要望を御連絡申し上げます。
- 指針全体について
- 中間指針の位置づけを明確化し、最終決定としないこと。
- 政府指示等が解除された後発生する損害についてもきちんと賠償されるようすること。
- 個別損害賠償の内容について
- 終期の考えについて明確化すること。
- 精神的損害の損害額算定期間は、警戒区域の場合12ヶ月以上とすること。第2期の期間も同様とすること。
- 精神的損害額の算定額は、警戒区域内の住民は増額すること。加えて、3km以内の立ち入り禁止区域についてはさらに加算すること。
- 風評被害、営業損害の合理的な損害額の証明方法や損害額の査定方法の定めを行うよう十分な検討を行うこと。
- 生活費の増加費用を精神的損害に含めることはせず、別途支払いが可能となるようにすること。
平成23年6月29日
大熊町長 渡辺 利綱