原子力災害の収束および復興支援に対する緊急要望書
印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月24日
10月24日、原子力災害の収束と復興支援を求め、渡辺町長が大熊町役場会津若松出張所を訪れた長浜環境大臣に要望書を手渡しました。
以降要望書原文
環境大臣
長浜 博行 様
原子力災害の収束および復興支援に対する緊急要望書
今般の東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所事故により、町機能ごと県内外に集団避難を余儀なくされる事態となり、原子力発電所の安全確保に一元的責任を有する国を信頼してきた大熊町としては、大変強い衝撃を受けております。
さらに、1年7ヶ月を経過しても、福島第一原子力発電所事故の確固たる収束目処は立っておらず、加えて放射線による土壌汚染等の厳しい現状が明らかになってきております。
このような状況のなか、大熊町では、「生まれ育った町を、廃墟の町にしてはならない」、「大熊町へ全員で一日でも早く戻る」という強い意志の下、町民と一体となって復興へ向けた取組みを行っているところであります。
しかしながら、福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質が表層土壌に含まれ、高線量地帯の土壌汚染に対する除染方法も明らかになっておらず、避難生活が長期間に及ぶことにより大熊町民の中には将来に対する不安を隠しきれない者も多数でてきております。
つきましては、かかる状況を十二分にご推察いただき、下記により緊急要望を提出いたします。
記
- 原子力災害の収束について
- 安全かつ着実な収束と廃炉を行うことにより、敷地境界における年間線量1ミリシーベルト以下を安定的に実現すること。
- 町民も多く従事する収束廃炉作業の作業員の環境整備と安全、健康管理を確実に実施すること。
- 大熊町内除染について
- 平成24年度より開始される除染については、目標線量を年間1ミリシーベルト以下とし、町内に安心して暮らせる地域を早急に取り戻すこと。
- 帰宅困難区域におけるモデル事業を積極的に実施し、高線量地域の除染手法を確立すること。
- 中間貯蔵施設について
- 中間貯蔵の考え方や管理方針を住民に丁寧に説明し、理解を得ること。
- 設置場所について、大熊町内に偏ることなく幅広く検討すること。
- 大熊町民が震災以前の生活水準に戻れるまで、長期継続的かつきめ細やかな復興支援を実行すること。
平成24年10月24日
大熊町長 渡辺 利綱