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学び舎ゆめの森新校舎完成(2023年8月25日撮影)

町内大川原地区に完成した教育施設で8月25日、町立義務教育学校学び舎ゆめの森の第2学期始業式が行われ、新校舎としての使用が始まりました。施設の中心は、吹き抜けの開放的な図書ひろば。すり鉢状の階段本棚が広場を囲み、中央に校章をかたどった緑色の本棚が置かれています。

震災と原発事故による全庁避難後、町の教育活動は避難先となった会津若松で行われていましたが、2023年4月、町立学び舎ゆめの森が会津若松市から町内に移転し、約12年ぶりに教育活動が再開。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で施設の完成が遅れ子どもたちは町役場などの施設で学んできました。教育施設は2学期の始業式で子どもたちを迎え、0〜15歳までの子どもたちが共に学びます。

新校舎は大川原地区復興拠点の南東側にあり、北は公営住宅エリア、南は里山に隣接しています。施設は、鉄骨を三角形に組み合わせた特徴的な外観で、内部はすり鉢状の本棚がある図書ひろばを中心に幼保ゾーンや義務教育学校ゾーン、体育施設ゾーンなどが放射状に配置されています。

広場の一角では、会津若松市の会津さざえ堂を模した2重らせん階段の本棚が上下階をつなぎます。施設全体の蔵書は現在約2万冊。今後、学校図書館では国内最大規模の約5万冊となる予定です。

本の分類と配架にも学び舎ゆめの森ならではの工夫がいっぱい。さざえ堂の本棚は、校歌を作詞した谷川俊太郎さんの著書を集めた「谷川俊太郎」や教育活動の協力者に関連した「おおくま教育応援団」という分類があり、これまでの縁を大切にしたギャラリーになっています。

幼保ゾーンに広がる図書スペース。絵本のほか、子育てや食育などの「ファミリー」分類が並んでいます。

読み聞かせルーム「くまのポッケ」

階段本棚裏の図書スペース

施設の外観を紹介します。新校舎西側に農業体験ができる学校菜園。南側に地上と屋上、築山など高低差を生かした園庭・校庭や丸い開放屋根が特徴的なみんなの中庭。東側に2つの体育施設があり、地域住民の利用も可能です。また、防災機能の強化として災害時の避難所を想定したアリーナと防災備蓄倉庫を設置しています。その他、人口芝の屋外運動場があります。

校舎内を紹介します。校舎内の施設は11のエリアで構成され、図書ひろばがある「わくわく本の広場」を中心に各エリアが緩やかにつながっています。本の分類と配架にも学び舎ゆめの森ならではの工夫があります。1階は各ゾーンの利用者がその用途に関係した本を閲覧しやすいように、テーマ別に分けられた独自の分類方法が採用されました。

ぽかぽか広場にはテラスに丸い開放屋根と人工芝のみんなの中庭があり、0~15歳が混ざり合って過ごす共生の空間です。

室内の大きなガラスの引き戸を開けると開放感たっぷりのみんなの中庭です。

幼保ゾーンのすくすく遊び室は、0~1才の「たね」、2~3才の「め」、4~5才の「は」の3部屋をつなげた設えとなっています。

幼保ゾーンのすくすく遊び室にはワクワクするものがいっぱい。3部屋をつなげた設えとなっています。。

公営住宅エリアに面した北側のパレットゾーンには、創作工房、音楽室、ランチルーム、家庭科室を配置し、地域へ教育活動を発信します。

ランチルームと繋がっている音楽室(写真右上)。

わくわく本の広場の中央に配置された校章型の本棚。

図書ひろばがあるわくわく本の広場は、3層分の吹き抜けが開放的な図書スペース。階段本棚がすり鉢状に広がり、さざえ堂や校章型の本棚が配置された新校舎を象徴する空間です。

体育施設ゾーンには学校時間外に地域住民の利用を可能にした2つのアリーナ。写真は、大きな鏡が設えてあるサブアリーナです。

さんさんアリーナでは、バスケやバレーなどの室内競技ができます。

義務教育ゾーンのにこにこサポータールームエリアは、児童生徒の昇降口が教職員ステーションに面しており、コミュニケーションを図りやすい配置となっています。このほか、保健室や相談室があります。

義務教育ゾーンののびのび学び室エリアは、可動家具によって間仕切りされた教室スペースの組み合わせで、個別学習から異学年学習まで多様な学習環境に対応します。

手洗い場の台には、子どもたちが色とりどりのペットボトルキャップを並べて作った「キャップでフラワー」が飾られています。

カラフルな椅子にキャスター付きのテーブル。室内のレイアウトが簡単に変更できるようになっています。

2階は、るんるん対話の森、ふむふむ研究所、ぶんぶん学び室の3つのエリアを囲むように屋上ひろばがあります。図書の配架は後期課程の生徒の利用を想定したもので、日本十進分類法という国内の図書館で広く使われている分類方法となっています。

図書ひろば、2階の義務教育学校ゾーンと連携しやすい場所に大学のサテライトキャンパススペースがあります。

屋上ひろばは建物全体を大きな遊具と捉え、園庭やグラウンドから連続する広場を整備し、屋内外に広がる学び・遊びのスペースとしました。

地上と屋上を結ぶボルダリング。

屋上ひろばの見晴らしデッキ。

何回でもくぐりたくなるゆらゆらネット。

2階の義務教育学校ゾーンは、教室と共用スペースをつなげることができ、落ち着いて学習に集中できる環境や共同で学習する環境など、さまざまな状況に対応する学習環境を用意しています。写真はサイエンスラボ前。

2階の図書は後期課程の生徒の利用を想定した配架となっています。写真は共有スペース。

2階の義務教育学校ゾーン、ふむふむ研究所のエリアは5つの教室があり共有スペースとつなげることができます。

ぐんぐん学び室エリアにある生徒フォーラムは、生徒の活動拠点となるスペース。生徒会室、個別学習室など多目的な使い方ができる3つの個室を配置しています。

建物の中心となっている図書ひろばから、すり鉢状に連続した2階の図書スペースです。

8月25日、第2学期始業式の前に新校舎との対面式が開かれ、登校した子どもたちがメインエントランス前で鏡開きを行いました。

始業式に臨む児童生徒と教職員ら

図書ひろばを見渡す児童

校舎内に足を踏み入れた子どもたちは内部を探検。気に入った場所などをタブレット端末で撮影して発表しました。

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