大熊町の県立大野病院で11月22日、県と福島大による震災資料の収集活動が行われ、2011年3月12日付の朝刊や地震発生時刻で止まった時計などが回収されました。双葉町に整備を計画している「東日本大震災・原子力災害アーカイブ拠点施設」に保存・展示する目的で公共施設や個人所有の資料を集めています。
担当者はロビーのある「外来棟」と呼ばれる部分に立ち入り、資料を探したり映像に収めたりしました。同病院では震災当日、約40人の入院患者を屋外に避難させた後、安全のため平屋の外来棟に集めて夜を明かしました。地震や津波による傷病者の治療も、同じ外来棟で対応しました。棟内は震災直後の緊迫感が今なお残ります。床の至るところに書類や医療用品が散乱し、入り口近くのホワイトボードに急患の氏名や年齢、症状が貼り出されていました。廊下やリハビリ用の部屋には布団が敷かれたままで、炊き出しを行った跡も生々しく残っていました。