義務教育学校学び舎ゆめの森の卒業証書授与式が3月13日、同校図書広場で行われました。
卒業生第1号 石井さん
昨年4月に教育の場が町内で再開してから卒業式が行われるのは初めてです。
卒業生らは、保護者、教職員、ともに過ごした仲間たちに見守られながら、たくさん思い出の詰まった学び舎を旅立ちました。
卒業したのは、中学3年にあたる9年生の石井埜乃佳さんと斎藤羽菜さん。幼稚園から長い時間をともに過ごしてきた2人は、これから別々の進路を歩み出します。
2人のために普段とは装いを変えた図書広場に卒業生が入場すると、会場を埋め尽くすほどの拍手が響き、南郷市兵校長の呼名で卒業証書が手渡されました。
学び舎を旅立つ2人へ、南郷校長は「大熊中学校に入学し、義務教育学校の開校、町への帰還、新校舎の落成。激動の時を、常に最高学年として牽引してきた2人の後に学び舎ゆめの森の道は築かれてきました。
旅立つ2人に私が伝えたいことはただひとつ。自由に生きよ、これにつきます。自分が生きたい人生を生きてほしい、自分が生きたい社会を生きてほしい。それが願いです」と式辞を述べました。
佐藤由弘教育長は「未来が予測できないほど、目まぐるしくものごとが変化し、自分を見失ってしまいそうになる世の中を生きていく2人には、次の2つのことを望みたいと思います。一つは「夢」を実現するために何事にも挑戦し、主体的に学び続けてほしいということ。もう一つは、大熊町の学び舎で学んだことを誇りに持ち、自ら進んで社会に貢献していこうという心を育んでいってほしいということです」と告辞を述べました。
在校生の代表者は2人との学校生活の思い出の数々、2人が卒業した後の目標や夢を述べ、最後に全員で音楽家・関口直仁さんの楽曲「たねをまこう」の合唱を送りました。
送辞を述べた在校生ら
在校生と一緒に最後の校歌を歌う卒業生ら
石井さんの将来の夢は「大熊町の保育士になる」こと、斎藤さんは「自分の描くイラストを生かして大熊町や地域を盛り上げる」こと。2人は将来の夢をかなえるため高校生になっても地域との関わりを続けたいと意気込みました。
答辞を述べる卒業生の2人
私たちは、本日この学び舎ゆめの森を卒業します。
ゆめの森は、いろいろな年齢の子どもたちが集まって一緒に活動し、一緒に学べる場所です。
皆が、今まで私たちを助けてくれたように、これからも転入学してくる子どもたちに優しく接してほしいと思います。私たちはいつでも在校生の味方です。
お母さん、とてもおいしいお弁当を作ってくれたり、時には良い相談相手となってくれたり、私たちを支えてくれてありがとうございました。おかげで自分の道に自信を持って進むことができました。
お父さん、仕事が忙しい中、受験生であった私たちを応援し、時には強く叱ってくれてありがとうございました。お父さんの叱咤激励の言葉が、立派な高校生への大きな一歩になりました。
私たちの姿は、小学校を卒業したときよりも大きくなりましたか。今まで、本当にありがとうございました。
私たちは、本日この青く広い大空に旅立ちます。困難にぶつかり、悩むこともあるはずです。しかし、皆にもらった勇気、先生方のアドバイスを思い出し、家族への思いを胸に毎日頑張っていきます。