政府は8月22日、東京電力福島第一原発にたまり続ける処理水を巡って、早ければ8月24日にも海洋放出を開始すると閣議決定しました。同日、吉田淳町長は、内堀雅雄知事、伊沢史朗双葉町長とともに、来県した西村康稔経済産業大臣と会談。処理水の海洋放出に関して、安全確保の徹底や国内外への正確な情報発信などに取り組むよう要望しました。
西村経産大臣(右)と会談する内堀知事と吉田、伊沢両町長
続けて、3氏は東京電力の小早川智明社長と面会し、処理水の海洋放出に関して、安全確保の徹底のほか、異常発生時の迅速・確実な放出停止、万全な風評対策と迅速・確実な賠償の実施などを求める申し入れ書を小早川社長に手渡しました。吉田町長は「被害を招いた責任を自覚するとともに、処理水対策の実施者であることを常に意識し、万全の対策を構築してほしい」と述べました。
小早川社長に申し入れ書を手渡す内堀知事と吉田、伊沢両町長
処理水の海洋放出は、予定通り8月24日に始まりました。それに合わせ、町担当者らが現地で放出設備等を視察。放出作業が適正に実施されているか確認しました。
処理水の放出が始まった福島第一原発周辺の海
放出設備を確認する町担当者ら(東京電力提供)
放水立坑を流れる希釈後の処理水(東京電力提供)
処理水は、海水希釈後のトリチウム濃度が1リットル当たり1,500ベクレル未満となるよう、100倍以上の海水で薄め、原発の沖約1キロメートルで放出されます。
9月11日には初回放出分の処理水7,788トンの放出が完了しました。原発周辺の海水や魚類、海藻のモニタリングで異常は確認されませんでしたが、町は引き続き、東京電力の取り組みを監視するとともに、安全確保を厳しく求めていきます。