町内の特定復興再生拠点区域で水稲の実証栽培が始まりました。5月12日、同区域の避難指示が解除されてから初めての田植えが熊旭台の水田約20aで行われ、町職員や町農業委員ら約30人が参加しました。
田植えを行う町農業委員ら
同区域での水稲栽培は4年目。昨年までの3年間は、放射性物質検査用のコメを採取する試験栽培が行われ、検査で放射性セシウム濃度が国の基準値を下回ったため、今年から実証栽培に移行されました。
試験栽培ではすべてのコメが廃棄されていましたが、実証栽培では収穫後に全量全袋検査を行い、安全性が確認されれば食べることが可能になります。
これまで同区域内では、下野上清水、熊錦台、旭台で1年ずつ水稲が栽培されており、旭台での栽培は昨年に続いて2回目。当日は天候にも恵まれ、青空の下、参加者がコシヒカリの苗を水田に手植えしました。秋に収穫したコメは、検査で安全性が確認できれば、イベントなどでの配布を予定しています。
町農業委員会の根本友子会長は「今年の秋が楽しみ。収穫したコメを皆さんに食べてもらい、大熊のコメはおいしいと確かめてほしい」と述べました。
町は令和7年に同区域での本格的な営農再開を目指し、水稲の実証栽培を続ける予定です。
コシヒカリが植えられた実証田