会津若松市から町内への移転を4月に控えた町立義務教育学校・学び舎ゆめの森で2月22日、「感謝を伝える会」が開かれました。
当日は、避難先となった市内河東町での学校生活を支援してきた地域住民らが招かれ、演劇が上演されました。
劇には、町立幼稚園の園児と義務教育学校の児童生徒、教職員ら25人が出演。招待者や保護者ら約60人の前で、出演者全員が真剣に役を演じ、気持ちを一つにしてこれまでの感謝を伝えました。
感謝の気持ちを込めて演劇を披露した園児、児童生徒と教職員
上演された演劇の題名は「ゆめの森 雪の結晶は天から送られた手紙」。旅立ちをテーマに、自分らしく成長する子どもたちの姿を描いた物語です。
脚本・演出・美術は演出家の木村準さん、音楽・作曲は作曲家の関口直仁さんが担当しました。木村さんと関口さんは、令和4年度の演劇ワークショップの講師として、子どもたちの表現力や伝える力を育んできました。
子どもたちは、これまでの学校生活で学んできたことやワークショップで培った表現力を発揮して練習を重ね、役を深めました。
会場となった体育館には、雪をイメージして白が基調となった舞台が設けられました。舞台美術には画家の蟹江杏さんが協力。また、衣装作りには、保護者や児童が参加し、物語の世界感に合った衣装が出来上がりました。
本番前、木村さんは出演者を集めて「このメンバーで演劇ができるのはあと1回。今までの気持ちを全部ぶつけよう。最後の宿題は楽しむこと」と呼びかけ、全員が「楽しもう」と声をかけ合いました。
開演前、輪になって話す出演者
本番が始まると、出演者らは役になりきって熱のこもった演技を見せました。園児と前期課程の児童は元気あふれる役、後期課程の生徒はシリアスな役を演じ、観客を劇の世界へと引き込みました。
つないだ手を離して旅立つ場面を演じる生徒
劇の終わりに、関口さんがこの劇のために作詞・作曲した「私がはじまる場所」という歌を出演者全員で歌い上げると、観客から大きな拍手が送られました。
劇の最後に歌う出演者ら
終演後、子どもたちは招待した室井照平会津若松市長や大熊ふれんずのメンバーら支援者一人ひとりにお礼の言葉と花束を送り、これまでの支援に感謝しました。
劇を終えた8年生の二人、石井埜乃佳さんは「地域の方々が行事に来てくれたり、手伝ってくれたりということがたくさんあったので、今までの感謝の気持ちを持って演じた」、斉藤羽菜さんは「みんなにありがとうって思いを体全部使って伝えることができた。会津に長くいたのでお別れが寂しい」と語りました。
子どもたちと写真に収まる河東町の住民団体・大熊ふれんずの皆さん
学び舎ゆめの森は、4月から認定こども園と義務教育学校が一体となります。4月10日には、入園式と入学式、再開式を合わせた「始まりの式」が行われ、12年ぶりに町内での教育活動が再開されます。