おおくま町物語伝承の会は7月17日、町交流施設linkる大熊で「まち物語コンサート大川原公演」を行いました。
同会は、紙芝居と舞踊、唄を織り交ぜた「絵おと芝居」で町の昔話や東日本大震災と原発事故による避難者の自伝を表現。避難者と避難先の交流や風評払拭、原発事故の風化防止のために活動しています。
新型コロナの影響で今年1月の同公演が延期されていましたが、再度企画され、町内での初公演を果たしました。公演を待ちわびた町民ら約120人が観覧しました。
第1部のスタートを飾った町無形民俗文化財「熊川稚児鹿舞(くまがわちごししまい)」は、町内で舞を披露するのは震災後初めて。町内熊川地区に伝わる伝統の舞を鹿しし役の子ども4人がおはやしの音色に合わせて披露しました。
町内初披露の熊川稚児鹿舞
また、音和(ねわ)の会による会津民謡、スリーエース会の大澤龍さんによる歌謡、和太鼓奏者・葛西啓之さんによる和太鼓演奏、岬はな江さんによるミニコンサートなどが披露されたほか、シャンソン歌手の紗羽しゅうこさんが、避難した町民の心情を表現した「あの山の向こうに」を歌いました。
町民の思いを歌い上げる紗羽さん
第2部の絵おと芝居では、日隠山物語、会津八重物語など4作品が上演されました。「おほしさまになったおまわりさん」の発表では、作品のもとになった作文の作者・高橋瑛心くん(10)と母の希さんが本人役で出演。震災時に津波で亡くなった警察官について話す親子のやりとりを感情を込めて表現しました。
自身をもとにした作品を演じる高橋さん親子(右)