大野駅周辺のまちづくりを進めるため解体される大熊町図書館・民俗伝承館で、解体前に館内の開放と本の譲与が行われました。
解体予定の町図書館・民俗伝承館
5月27日から30日までの4日間で、合わせて246人が来館し、図書館から思い出の本を譲り受けました。
館内は、天井の一部が崩れるなどの東日本大震災による損傷がそのままとなっており、参加者はヘルメットをかぶって入館。気になった本を手に取って確かめました。
参加者からは「子どものころに好きだった絵本と出会えた」、「おはなし会で使われた紙芝居を見つけて懐かくなった」などの声が聞かれました。
蔵書を手に取る来館者
本を譲り受ける来館者
震災時に棚から無数の本が落ち、10年以上の間、手入れができなった館内。今回の開放にあたり、図書ボランティアの町民ら21人が協力。譲与の準備作業や清掃などを手伝いました。
今回の開放に合わせて館内で企画展が行われました。図書館では、震災前に活動していた図書ボランティア「ななつのこ」の手仕事展を開催。絵本の表紙を模したバッグやエプロンを使った人形劇・エプロンシアターなど同団体が手作りした作品約20点が展示されました。
制作に携わった庄子ヤウ子さんは「絵本の表紙デザインを再現するため、たくさんの生地の中からの材料選びが楽しかった。バッグが絵本とおそろいだとよろこばれたことを覚えている。震災で傷んだところを直すので、ぜひ新しい施設で活用してもらいたい」と話しました。
図書館で展示された図書ボランティアの作品
民俗伝承館では、震災前の手ぬぐいを紹介する企画展「手ぬぐいで振り返る大熊町」を開催。大野駅への特急停車開始を記念してつくられた手ぬぐいや手ぬぐいで仕立てられた襦袢(じゅばん)などが並べられました。