双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で3月26日、町の無形文化財・熊川稚児鹿舞(くまがわちごししまい)が披露されました。同館で開かれている町特集展「大熊町の歩みとゆくえ」に関連したイベントの一環。双葉郡内で披露されるのは震災後初めてです。
舞を披露する子どもら
熊川稚児鹿舞は、町内熊川地区に伝わる郷土芸能で、地区が凶作と疫病に苦しんだときに地区内の諏訪神社へ舞を奉納したことに由来します。震災前は毎年諏訪神社に奉納されていましたが、震災後は保存会が避難先のいわき市などで子どもたちに舞を継承していました。
イベントでは、いわき市などから集まった4人が鹿の衣装を身に付け、保存会のメンバーによる笛と太鼓のお囃子に合わせて舞を披露しました。
鹿の衣装を身に付ける子どもら
保存会の宮本明会長は「舞手には震災後に生まれた子どももいるが、快く引き受けてくれた。皆、練習の成果を発揮し、立派に踊ってくれた」、宮本会長の孫で舞手最年長・中学1年生の鈴木裡希人君は「衣装をつけての踊りは大変だったが、大勢の前で初めて踊り、伝統を継承していると実感できてうれしい」と話しました。
披露を行った保存会の皆さん
町特集展は5月9日まで、同館で開かれています。