2021年3月11日、東日本大震災から10年が経過しました。町内では、町追悼式などの催しが行われ、ふるさとで暮らす町民らが追悼と復興を願いました。
町役場ホールで、震災後町内で初となる町の東日本大震災犠牲者合同追悼式を行いました。感染症拡大防止対策のため、遺族や一般の方の参列を中止し、規模を縮小しての開催。出席者が震災発生時刻の午後2時46分に黙とうした後、献花を行い、震災で亡くなられた方、避難中に亡くなられた方を悼み、復興への誓いを新たにしました。
町役場前の広場では、県内でコミュニティ活動を行っている6つの町民団体が中心となってつくる3.11おおくま実行委員会が、追悼・復興祈念イベント「復興のつどい」を開きました。
午後2時46分、来場者は広場に飾られた2011羽の折り鶴を囲みながら黙とうを行いました。
その後、いわき市湯本一中の堀井研吾さんによるトランペットの演奏が行われました。町民団体がいわき市の草野公民館を利用している縁で、飯島裕人館長が、元中学校音楽教師の石井直樹さんとその教え子・堀井さんを紹介。演奏で町民を励ましてほしいという依頼に2人が応えました。
2曲が演奏され、「上を向いて歩こう」の演奏では、来場者が曲に合わせて合唱し、トランペットの音色と歌声が会場に響きました。演奏後、色とりどりの風船が空に放たれ、青く晴れたふるさとの空を彩りました。
午後2時46分に黙とうする町民ら
午後5時、町役場で追悼の碑「希望の灯り」がお披露目されました。碑は、震災から10年の節目として、震災によりこれまでに亡くなられた方々の追悼とこれからの町の復興を祈念して建立。御影石製の碑の上には、ガラスケースに入った発光ダイオード(LED)灯・希望の灯りが設置されています。
町は碑の建立にあたり、阪神淡路大震災から復興を果たした兵庫県神戸市を訪れ、NPO法人阪神淡路大震災1.17希望の灯り(HANDS)の協力で東遊園地に灯されているガス灯「1.17希望の灯り」から分灯しました。
除幕式で吉田淳町長は「この灯りは、過去を忘れず、未来へ進むための希望。神戸の思いを受け継ぎ、町の復興に取り組む」と話しました。
その後、点灯式が行われました。ゼロカーボン推進の観点から、ガス火ではなくLEDの灯りとなりましたが、HANDSの藤本真一代表から吉田町長に神戸市の1.17希望の灯りから採火したランプが手渡され、復興への思いを込めて希望の灯りが点灯されました。
また、碑の隣には、町民から募集したメッセージを刻んだ碑も建立されました。
辺りが暗くなった午後6時、町役場内で復興を願うランタンが灯されました。ホールや廊下に設置されたランタンが、庁舎を暖かい光で満たしました。来場者は、目の前に広がる幻想的な光景に見入っていました。
また、午後6時30分からは、おおくままちまちづくり公社が、震災により亡くなられた方々への追悼の花火を打ち上げ、ふるさとの夜空を照らしました。
町内で上がる追悼の花火