大熊町原子力損害賠償請求並びに中間貯蔵施設建設補償に係る支援に関する条例制定請求を受理しました。
地方自治法第74条第1項の規定による条例制定の直接請求の受理
平成27年9月17日
平成27年9月17日、地方自治法第74条第1項の規定による条例制定の直接請求を受理したので、地方自治法施行令第98条第1項の規定により、条例制定請求代表者の住所および氏名並びに請求の要旨を次のとおり公表します。
福島県双葉郡大熊町大字熊字旭台391番地の7 猪狩 瑛一
福島県双葉郡大熊町大字熊字新町760番地の4 渡部 弘美
福島県双葉郡大熊町大字熊字新町760番地の4 渡部 貞子
福島県双葉郡大熊町大字夫沢字東台85番地 多田 正友
福島県双葉郡大熊町大字夫沢字東台374番地7 菅野 充史
福島県双葉郡大熊町大字熊字旭台164番地12 安部 昌宏
福島県双葉郡大熊町大字野上字山神56番地 木幡 ますみ
福島県双葉郡大熊町大字小入野字東大和久83番地 渡部 隆繁
平成23年3月11日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故は、広範囲に亘り放射性物質の放出をもたらし全町民が避難を余儀なくされた。
事故発生から現在までの間、長期にわたる避難による生活環境および健康状態の悪化、失業、放置され傷み続ける住宅、不十分な住環境、健康被害への不安、家族・親戚・友人との離散、生き甲斐の喪失、将来への見通しがつかない不安、地域コミュニティーの崩壊等の損害、そしてこれらによる精神的、肉体的な損害は計り知れないものがある。
原子力発電所の事故後5年を迎えて帰宅準備区域、居住制限区域においては除染が終了し町復興に向けた取り組みが始まろうとしているが、町の97%を占める帰宅困難区域については全体の除染計画すら示されないまゝとなっている。
中間貯蔵施設の建設を受け入れたことにより国道6号線より東側一帯の夫沢地域が中間貯蔵施設の建設予定地となり、今後30年間もの長きに亘り福島県内の90%以上を占める各地から放射線に汚染された廃棄物が搬入となる。それらの汚染廃棄物の運搬には、1日当たり300台以上の車両の往来が予想され、町民の生活不安は今後も脅かされ続ける。 加えて中間貯蔵施設建設予定地の地域においては、30年間完全に立ち入ることができなくなると共に家・屋敷全体が解体され二度と我が家を見ることがなく故郷喪失となってしまう。更に、原子力発電所の廃炉作業には、溶融した核燃料の回収方法が確立されていないことから30年とも40年ともの期間が要すると言われ、町民の不安な要素は尽きることなく続く。 町は、未曾有の災害の被害者となった町民の健康的で文化的な生活を取り戻すため、東京電力株式会社および原子力発電を推進してきた国の責任を追及すること。
町民の生活再建のための損害賠償、今後における精神的損害賠償、全町・全町民に多大な影響を及ぶすこととなる中間貯蔵施設の建設に伴う補償等が公平で適正なものとなるよう町民の心に寄り添い、その実現を図ると共に平成27年3月19日に策定した大熊町第二次復興計画に沿い町の復興を図るため、この条例を制定するよう請求いたします。
請求の要旨は請求代表者から提出のあった条例制定請求書に記載された内容を転載したものです。