東日本大震災で損壊した夫沢字東台の熊町虚空蔵碑を運び出す文化財レスキューが行われました。
碑は地震で根元から破損し、横倒しになったままでした。現地は帰還困難区域内の上、中間貯蔵施設の予定地内に含まれます。地元での管理ができなくなったため、町が寄贈を受けた上で環境省や県と今後の保存方法などを決めました。線量や測量調査を経て、碑を台座部分と切り離し、シートに包んで1月に町総合スポーツセンター建物内へ移しました。
熊町虚空蔵碑をはじめ町内に残る貴重な歴史的・文化的遺産を後世に伝えるべく、町は今後もレスキュー活動を続けます。運び出した品々は、町内に建設する予定のアーカイブ施設に保管・展示します。
泥岩でつくられた高さ2.8m超の碑。平安時代に流行した疫病を鎮めるため空海が建立したとされています。平成に入り地元・夫沢1区がコンクリートの台座に据え、覆屋を設けて保全しました。町内最古の碑である可能性もあり、表面に刻まれた文字を含めた調査が、今後専門家によって行われる予定です。