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大熊町図書館・民俗伝承館の存続を求める陳情について

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年8月1日

5月25日、「大熊町立図書館・民俗伝承館存続」を求める発起人より陳情書が提出され、7月11日に町当局と意見交換をしました。詳細は次のとおりです。

団体名

「大熊町立図書館・民俗伝承館存続」を求める発起人

陳情書・要望年月日

令和4年5月25日

陳情および要望事項

願意

図書館と民俗伝承館の建物は解体せずに存続させていただきたい。

理由(原文のまま記載)

大熊町立図書館は多くの町民の要望により建設が実現したものであり町の重要な財産であります。時計台は町のシンボルでもあり、震災後町を離れた人々にとってもふるさとの思い出に繋がる大切な建物です。

町では読書推進協議会が設置され全町民あげて「読書の町・大熊」という姿が印象付けられていました。

民俗伝承館内の旧吉田家は相馬藩独特の「相馬小間造り」で大変貴重な住宅ですが堅固な建物の中にあったため大きな地震にも耐えることができました。

多くの市町村において震災遺構として残されているのは震災によって破壊されたものが大半ですが、この図書館・民俗伝承館は帰還困難区域ではあったものの室内の被爆は低く、内部はほぼ無傷に保たれています。

再利用は十分可能と思われると共に他に類を見ない震災遺構としての価値が大であると思われます。

以上のような観点からぜひ解体せずに存続させて頂きますよう切にお願い致します。

願意の要点

  1. 震災遺構としての保全

  2. 建物再利用の可能性 

  3. 吉田家の保存(民俗伝承館常設展示古民家)

  4. 読書の町おおくまの継承

説明および回答内容

1.震災遺構としての保全 および 2.建物再利用の可能性について

  • 住宅施設整備のため大熊町図書館・民俗伝承館(以下図書館・伝承館)の敷地利用について、下野上地区内の町が開発する範囲を定めた都市計画事業(下野上地区一団地の復興再生拠点市街地形成施設)で計画しています。
  • 庁内で建物の利用用途がなく、修繕や維持管理等の理由から建物の再利用を考えておりません。
  • 図書館・伝承館の建物自体が、大熊町と町民が受けた原子力災害の悲惨さや、現在も続くダメージを体現する遺構には当たらないと町は考えます。

10年以上帰還困難区域にあり、維持管理ができなかった施設を修繕するには多くの費用が必要です。また、遺構として、あるいは町の面影として建物を残置するとしても、財産管理の観点から建物の用途を定める必要があり維持管理費用が課題となります。

町として活用の予定のない建物を残すことは、将来の町民に責任をゆだねることになります。

また、今後のまちづくり、駅周辺の開発計画からも、駅西エリアの働く場所の開発に遅れることなく、駅東エリアに集合住宅を整備し、移住定住施策を推進することが必要です。

下野上地区一団地事業の整備エリアは令和2年6月に都市計画決定、同年7月に都市計画事業の認可を受け、国の補助金を使い一体的に整備を進めることが可能となりました。町はこの計画に基づいて下野上地区復興拠点の整備を進めており、計画決定や計画内容に変更が生じた際には住民説明会も開催しております。

大野駅西地区は駅前商店街があったエリアであり、町の復興再生の拠点として、駅西エリアの顔として、町主導で産業交流施設、商業施設の先行整備を進め、働く場・商いの場として町を活性化させます。そしてこの駅西に整備予定の産業交流施設や商業施設で働く人たちの住宅の提供のため、大野駅東住宅エリアがあり、現在は宅地の造成をはかりつつ、民間誘導で住宅の建設を進めていく計画です。

計画決定、変更の際に住民説明会を開催しておりますが、まちづくりの総論的な話の場であり、「図書館・伝承館をどうする」という個別の説明ではありませんでした。同様に昨年の町政懇談会でも下野上地区事業計画の説明はしましたが、図書館・伝承館を壊すかどうかという話をしていなかったのは確かです。町として、一団地を設定し、まちづくりの説明はしていても、皆さんの気持ちに即した、踏み込んだ議論はしていなかったという反省点はございます。今後、町有施設の在り方についても、計画がある際は事前に情報をお伝えしていきたいと考えております。

以上のように敷地利用の計画から、図書館・伝承館の建物本体を残すことは難しいですが、モニュメント等への建物部材の転用や、館内家具の修繕活用を今後実施し、皆さんが図書館・伝承館の思い出に触れる居場所づくりを検討してまいります。

また、除染や解体により失われる町並み保存については、アーカイブズ事業による3Dデータで記録済みです。図書館・伝承館も町民の暮らしの一部であった施設であることから、今後記録したデータの公開、活用を新施設等で図ってまいります。

3.吉田家の保存(民俗伝承館常設展示古民家)について

民俗伝承館内の常設展示古民家「吉田家」については、移築再現可能な状態で保存するための調査設計費・解体運搬工事費を令和4年度当初予算で計上し、吉田家の新施設等での活用を検討してまいります。

4.読書の町おおくまの継承について

  今年度から町は公民館・図書館・博物館・アーカイブズ等の機能を融合した社会教育複合施設整備検討を開始しました。社会教育複合施設は、原子力災害の被災町として伝えるべき教訓の他に、震災前から脈々と続いてきた大熊町での暮らしや歴史、学びと読書の文化をしっかり未来へ継承する施設と考えております。そのためには「人づくり」が第一であり、新施設検討にあたってはワークショップ等住民の方との意見交換の場を重ね、施設整備・施設運営の検討を通して「施設で何がしたいか」を利用者の皆さんと共に考え、作り上げることで、利用者の皆さんの「主体的な学びの場」の実現を目指してまいります。

教育委員会は町にかかわり、町の未来を考える皆さんと一緒に今後の読書の町おおくまの基盤づくりについて考え、実践してまいります。是非、一緒に考え、歩んでいただきたいと考えております。

説明会配布資料

大熊町図書館・民俗伝承館存続の陳情書に関する説明会資料 [PDFファイル/959KB]

説明および回答担当課

  • 教育総務課
  • 企画調整課
  • 復興事業課
  • 総務課

 

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