大熊町では、東京電力福島第一原子力発電所事故により被災した農地や山林の活用法を模索するため、平成29年度にメタン発酵によるバイオマス活用事業実現可能性調査を行いました。
この度、調査の結果がまとまりましたので、成果報告書を公表します。
メタン発酵によるバイオマス活用事業実現可能性調査業務成果報告書 [PDFファイル/3.04MB]
大熊町が目指す農業の復興に向けた農業生産の早期再開の方策として、エネルギー作物の栽培とメタン発酵によるエネルギー利用は、町が抱える特殊な事情を勘案した取り組みとして、全国に類を見ない先進的な取り組みと言える。
これまでの検討の結果、いくつかのエネルギー作物の候補が示され、それぞれの特徴についての分析を行ったが、今後は実証(3 年程度)を行うことで収量や生産コスト、連作障害への対応などの検証を行いながら適切な絞り込みを行う必要がある。
メタン発酵についても、候補となるエネルギー作物のメタン発酵特性について、文献レベルの調査から、事業を成立させることが可能なエネルギーが得られることが示されたが、今後は、室内試験によりそれぞれの作物のメタン発酵特性の確認を行うこと、一日当たり数トンレベルの小規模な実証により建設や運転に関するデータを蓄積することが本格的な事業に向けた課題といえる。