町が年2回行っている町内の空間線量率調査のうち、測定点を36か所にしぼった簡易調査を、3月21日に実施しました。この36か所は、福島第一原発の周辺やすでに除染を終えた場所の経年変化、これから除染する場所の事前調査等、特徴ある場所を選んでいます。
今回は、測定日の前日から雨が続いたことで、水による遮へい効果が出たようです。町スポーツセンターに設置した空間線量率測定装置では、雨が降った3月22日の昼前まで、線量率が低い状態でした。
大熊町内の空間線量率簡易測定結果・平均値(平成30年3月21日測定) [PDFファイル/133KB]
※数値は、地上高1メートルで3回測った平均値です
今回の測定では、28番と137番を除き、前回の測定と比較した増減率はおおむねプラスマイナス20パーセント以内で、測定値が大きく変動した地点はありませんでした。
28番の地点では、道路の舗装が新しくなっていました。このことで路上に残っていた放射性物質が取り除かれ、大きく線量率が低下したと考えられます。
137番の地点で測定値が大きく増加した原因はよく分かりません。前回の値が低かったため、今回特別増加したようにも見えますが、放射性物質の増減というより測定のタイミングで測定値が変動する傾向が顕著に出てしまったと考えられます。ただ、確定的なことは言えません。引き続き測定データを集めて原因を探りたいと思います。
その他の地点で30番は、周囲が田んぼで水がたまりやすい場所で、測定値が大きく減少していました。
過去の調査結果から、夏より冬に空間線量率が高くなる傾向があることが分かっており、周辺に草木が多い地点にその傾向が強いようです。夏場は草木が遮へい物となっている、と考えられますが、今回は雨の影響の方が大きかったようです。
9月の次回調査では、167か所全地点を測定して町内の全体的な傾向を確認する予定です。
雨の影響で、全体的に測定値が前回より10~15パーセント程度低下していました。ただしこれは一時的なもので、天気が良ければもっと高い数値だったと思われます。これも放射線の特徴です。 自然減衰はかなり緩やかになってきており、今後は放射性核種の半減期による線量率の低下をそれほど期待できなくなると思われます。