あけましておめでとうございます。
町民の皆さまにおかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
国内での新型コロナウイルスの感染拡大から3年が過ぎようとしていますが、未だ収束の兆しが見えない状況が続いております。町民の皆さまには、引き続きマスクの着用や手指の消毒、三密の回避など基本的な感染防止対策の継続をお願いいたします。
さて、当町では昨年の6月30日にはかつて町の中心部であったJR大野駅前地区を含む「特定復興再生拠点区域」の避難指示が解除され、町復興の大きな節目となりました。現在、駅周辺や下野上エリアを「下野上地区復興拠点」として、住民の帰還や町外からの住民を受け入れる環境の整備に取り組んでいます。
また7月には、拠点区域内にある旧大野小学校を再利用して、起業を志す方や設立して間もないベンチャー企業への支援・育成を行うインキュベーションセンターを開所しました。
地域の課題を解決する産業や次世代のサービス・製品の開発に取り組む企業等を呼び込み、町内での事業の実証・社会実装を支援することによって、住みやすく・働きやすい町の実現や大熊でしかできない産業の創出を目指しております。
今後も、柔軟かつ斬新な発想のもと、拠点区域の開発・整備を進めるとともに、ゼロカーボンビジョンに基づき、ゼロカーボン先進地として地域の再生可能エネルギーを活用した魅力的で持続可能な町づくりを実現してまいります。
「特定復興再生拠点区域外」については、一昨年の8月に国による方針が決定され、帰還意向のある住民が帰還できるよう除染・解除が行われることになりました。第1回目の意向調査が終了しましたが、今後も国と協議を進めていき、できるだけ多くの皆さまの意向を集め、広範囲の除染を実現してまいります。
しかしながら、これですべてが解決するわけではありません。帰還意向のない土地や家屋などの取り扱いは引き続き重要な課題でありますので、全域の除染・解除が実現されるまで粘り強く要望を継続してまいります。
さらに、今年は大川原地区に認定こども園と義務教育学校が一つの施設に一体となった「学び舎ゆめの森」を開園・開校いたします。
実に12年ぶりの町内での学校再開であり、喜びもひとしおです。子どもたちの元気な声が町内に響き渡り、町に活気が出ることを期待しております。
皆さんにお願いがあります。「学び舎ゆめの森」で学ぶ子どもたち、その保護者、そして子どもたちを教えます先生方を温かく迎えてください。そして応援団になってください。
結びになりますが、町民の皆さまにとってこの一年が幸多き年となりますよう、心からお祈り申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。
本年もよろしくお願いいたします。
大熊町長 吉田 淳