新年を迎えるにあたり、大熊町議会を代表して、ご挨拶を申し上げます。
早いもので全町避難を余儀なくされ、5度目の正月を迎えることになりました。少しずつ前に進み希望と未来が見え、明るく、元気に過ごせる年となる様願っております。
昨年3月に、今後10年程度における取り組むべき施策や事業を整理した「大熊町第二次復興計画」が策定されました。この計画は町民の皆様の生活支援と町土復興を二本の柱としており、避難先での安定した生活や帰町を選択できる環境づくりの早期実現が望まれるものであります。すでに本格除染が終了した大川原地区においては植物工場や太陽光発電施設、公営墓地、事務所等が計画され、また、帰還困難区域の本格除染については下野上地区で開始されたところです。
今町は、震災前には思いもよらない大きな課題を持つ町であります。福島県内からの除去土壌等を受け入れ保管する中間貯蔵施設建設は、当町が受け入れを容認した以上必要不可欠であります。建設を推進していく上での問題点を整理し具体的な施策を示し、建設の加速化を図るべきと思います。これは野上、下野上地区の早期除染を進めるうえでも町民の皆様の帰還意欲向上、早期復興を目指す意味でも、大変重要な施設であり最重要課題と位置づけ取り組んでおります。
復興公営住宅の整備も依然として要望どおりには進んでいない現状にあり、地域コミュニティの維持、安心した生活のためにも早期建設を、損害賠償等についても基本的に避難が続く間は継続されるべきと考え、引き続き支援を要望してまいります。
また、福島第一原子力発電所の廃炉作業についても原子炉格納容器内の放射線量が極めて高いことから、作業を進めるにはまだまだ困難が予想されます。度重なる汚染水の海洋流出は、新たな風評被害につながることから適切な措置がなされるように監視活動を続けます。
本町議会は昨年11月に、12人体制で新たにスタートしました。議員各位の協力の下今まで以上に議会が活性化するべく、日々の変化を敏感に察知し、新鮮な感覚で身近な議会、行動する議会を目指し、町民の皆様の代表者として「困っていることを改善」していきます。今後とも変わらぬご支援、ご協力、ご意見、ご要望賜りたくお願い申し上げます。
結びに皆様のご健康とご多幸を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。
大熊町議会議長 鈴木 光一