新年を迎えるに当たりまして、 議会を代表してごあいさつを申し上げます。
全町避難から間もなく6年が過ぎようとしていますが、町民の皆さまの生活も町の復興もこれまでより前に進み、将来に希望を見出すことができ、明るく元気に過ごせる年でありますよう願っています。
昨年4月、町役場いわき出張所に3課が移行して行政機能の大幅な充実が図られたほか、郡山市に中通り連絡事務所、町内に復興の足掛かりとなる大川原連絡事務所も開設されました。大川原地区では基礎的インフラの復旧が完了し、今後は施設整備が進み、その動きは徐々に帰還困難区域にも広がっていくと考えています。
8月末には政府から「帰還困難区域の今後の方針」が発表されました。平成29年度から5年後までに拠点整備を集中的に進めるため、 除染とインフラ整備を一体的に進めるというものです。
すでに下野上地区の一部95ヘクタールの除染が終了し、新年度には隣接する52ヘクタールの除染が予定されています。 先に発表されている常磐自動車道インターチェンジの設置やJR常磐線全線開通の計画と併せ、地域聞のつながりある整備が進められていくことになります。
福島県内で発生した除染土壌等を保管する中間貯蔵施設は、 28年度後半に至ってようやく進ちょくが見えてきたところですが、 町民の皆さまの生活再建や復興の前提となる町内の早期除染を進める上でも重要な鍵を握る施設であり、引き続き最重要課題とし て取り組んでいきます。
復興公営住宅については、整備を予定している住宅の募集が昨秋までに終了し、建設中の個所も含めて29年度中にはすべて入居できる予定となりました。今後は空室の入居募集が随時実施されますが、 仮設住宅や借上住宅の取り扱いが今後の課題となります。また避難先での住宅再建も進んでおり、大熊町民として、あるいは地域単位の人と人とのつながりも大切になっていきますので、避難先での多様な支援策を提案していきます。
福島第一原子力発電所の廃炉の進展は、 地域の将来を展望する上で最も重要な問題ですので、引き続き監視の目を光らせます。
町民の皆さまの考え方は人により、年代により、そしてまた置かれている立場によって様々ですが、皆さまに選ばれた代表として、 今後とも皆さまの安定した生活を願い、一体となって努力を重ねていきますので、変わらぬご支援、ご協力とご意見、ご要望を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆さまのご健勝とご多幸を祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。
大熊町議会議長 鈴木 光一