2023年4月、大熊町で開校した「大熊町立 学び舎ゆめの森」。2023年夏に完成した校舎では、園児・小学生・中学生が1つの校舎の中で学んでおり、全国的に注目を集める新しい学びの場になっています。校長の南郷市兵さんに、ゆめの森が目指す学びの姿や、移住を検討している方々へのメッセージについて伺いました。
ゆめの森の学びの特徴は、インクルーシブというところだと思います。0歳から15歳までがともに協働して1つの空間で遊び、学んでいる施設は全国にもないと聞いています。
0歳から15歳がともに何かをする機会はたくさんあります。演劇ではみんなが一緒になって表現し、それぞれの役を頑張っています。小学生が園児に読み聞かせに行く機会もあります。ただ読むだけではなく、身振り手振りやダンスを交えて表現しています。そうやって、誰かのために行動する機会がありますから、年上の子はとてもやさしくなったように感じています。
年下の子は年上の子にあこがれを抱き、背伸びをするようになりました。もともと昼食は別々に取っていたのですが、園児が「お兄さんお姉さんと一緒に食べたい」ということで、昼食は大きな食堂でみんなが集まって食べ、園児たちが配膳を頑張っています。
校舎の真ん中には図書館があり、そこから奥へ進むと広場があったり、潜り抜ける通路があったり…という仕掛けがあります。まさに「遊具」のような校舎で、、子どもたちが遊んだり、行動したり、探検をしたりする中で、探究心を育んでいける空間にしています。
学び舎ゆめの森 ホームページ<外部リンク>
ゆめの森の教育目標はシンプルで、「わたしを大事にし、あなたを大事にし、みんなで未来を紡ぎ出す」ということ。私たちは東日本大震災および原子力災害を経験し、子どもたちにどう生きていってほしいかを真剣に考えたとき、それは自由に生きることだと思っています。1人ひとりの興味関心を大事にし、好きを伸ばし、ゆめのたね(好奇心)を伸ばしていきたいと考えています。
ゆめの森で遊び、学ぶ子どもたちには、まさに幼児のように、何かに没頭し、何かを創り出し、行動し続ける大人になってほしいと考えています。ゆめの森では、これを「生涯幼稚園児」と呼んでいます。人間が本来持っている、知りたい、やりたいという探究心を育んでいくような学びです。
ゆめの森では見学を受け入れていて、多くの方が保護者の方をつれて見に来てくださっています。体験入学・入園も年に数回設けているのでぜひいらしてほしいと思っています。保護者の方からも「もう1回子どもに戻ってここに通いたい」という声を頂きます。
大熊の移住を検討している方にお伝えをしたいのが、ここ大熊町・ゆめの森にはチャンスしかないということだと感じています。何が本当の学びか、ということを考え抜いて作られたのがゆめの森であり、今の大熊だと感じています。ぜひ一度気軽に遊びに来ていただいて、この空間を感じてほしいと考えています。
ゆめの森 体験プログラムのご紹介<外部リンク>
南郷先生、素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました!
ゆめの森のことを知り、実際に見てみたい!大熊に行ってみたい!と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。次回の記事では、「大熊町の暮らしを知る」と題し、オンラインコミュニティやお試し移住体験についてご紹介いたします。