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【紹介記事5】移住者が創る交流の場~フリーバーテンダー・近藤佳穂さん~

毎月最終水曜日、この日の大熊町の夜は、普段の夜よりも活気にあふれています。それは、おおくまーとの「軽食喫茶レインボー」で開かれるバーイベントに多くの人が集まるから。そのバーイベントでカクテルをふるまうのが、東京都から2022年に移住した近藤佳穂さんです。なぜ大熊町に移住し、このような交流の場を作るようになったのか、お話を伺いました。

近藤さん1

バーを始めたきっかけ

もともとは東京にいて、神奈川のホテルで働いていました。当時お付き合いしていた方が大熊町で働いていて、結婚を機に大熊で暮らそうと考えていたのですが、避難指示の解除が進んでいなかったため、結婚後1年ほどは別々に暮らしていました。そして2022年6月に避難指示が一部解除されたため、翌月に大熊町に移住しました。

ホテルのバーで働いていた経験があったことを町の方に話し、「町内のイベントでバーテンダーをやってみないか?」と誘われたのがきっかけで、バーテンダーの活動を始めました。2023年5月からは軽食喫茶レインボーのバータイムで月に1回、カクテルを提供しています。バーイベントには、多くの世代の方がいらっしゃいます。マスターのご友人は60代、70代ですし、若い方もたくさん来られます。町役場の方、近くの災害公営住宅に住んでいる方、仕事で大熊に来られた方、町外から足を運んでくださる方もいます。

夏場の多い時では3時間で200杯のカクテルを出したこともありました。

ザ・モーヴ1

大熊にちなんだカクテルを提供

看板メニューは、オリジナルの「ザ・モーヴ」という紫色のカクテル。「モーヴ」はフランス語で藤色を表し、私の名前(近藤)に「藤」が入っていることから名付けました。スミレの花を使ったシロップを入れて仕上げています。

また、大熊町で聞いたエピソードにちなみ、洋梨やキウイのシロップを使ったカクテルも考えました。大熊町は果樹の栽培が盛んで「フルーツの香り漂うロマンの里」というキャッチフレーズがあります。ただ、当時作っていたのが和梨やキウイで、「香りが漂わない」と気づいた農家さんが洋ナシの栽培を始めたというエピソードが面白くて、それをカクテルにしました。

また、最近では大熊町でいちご栽培を手掛けている「ネクサスファーム」さんのイチゴゼリーを使ったカクテルを2023年12月のバーイベントで初披露しました。

バータイムを通して、色々な交流が生まれているのがうれしいことです。顔見知りだけどあまり話したことがない町民同士が実は共通の趣味を持っていることに気づいたり、仕事で町外から来た若手の社会人の方が、地元の音楽クラブに入ったりと、回を重ねるごとに交流に広がりが出てきたと感じています。

近藤さん2

大熊に住んで感じる、人とのつながり

人との距離の近さを感じています。アパートの住人同士も仲が良く、月に1回、アパートの駐車場でバーベキューを楽しんでいます。住んでいるアパートは2LDK。駐車場が2台あり、東京の感覚から言えば広い家です。

また、町のイベントに参加すると必ず知り合いに会うことができますし、バーをやっているのでかぼすやミントを頂くこともあります。大熊の人たちのおかげで楽しく暮らすことができていると感じています。

確かにタクシーがないとか、不便はありますが、そこを住民同士が助け合って生きていると思います。都会ならお金を払って解決をするところですが、つながり・助け合いを大切にしていることを感じています。

移住を考えている人へのメッセージ

大熊町は、まだ何もないからこそチャレンジができる環境があります。新しいことを始める人を受け入れ、応援してくれる温かさもあります。そんな大熊の暮らしを私もSNSで発信しています。

挑戦しやすい環境というのももちろん、大熊町は気候が温暖で子育てがしやすいという環境があります。まずは気軽に大熊に遊びに来て、そして住民の方々のやさしさに触れてほしいと考えています。毎月最終水曜日の夜、バーイベントでお待ちしています。

ザ・モーヴ2

近藤さん、素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました!

次回は、大熊町の休日スポットについてご紹介していきます。

公営住宅

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